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カスタムカーオーディオにおける、FRP(グラスファイバー)の使用について

HOT WIREDでは,カスタムで,FRP(グラスファイバー)を多用します。

FRPとは,FIBER REINFORCED PLASTIC の略です。

水に強くて,軽くて強くて,カッコいい曲線のフォルムを作るのには最適な素材と考えています。

工夫次第で,ウーハーボックスや,ドアパネル,バイクのカウルなど,あらゆる場所に使用できる,非常に軽くて強い素材です。

強度に加えて,強力な防水性と,ある程度の弾力性も兼ね備えているので,スノーボードやサーフボード,釣り竿,釣り船、バスタブなど、色々なものを作る素材として使用されています。

水に侵される心配も無く,長期間長持ちするのも特徴です。

滑らかで美しい曲線美は,FRPの得意技のひとつです。

カスタムカーオーディオの製作でFRPを使用する場合,木とパテだけでは,表現できない,ラディカルな曲面を作り出すことができますし,木とパテの固まりで作ってしまうと,重くて走らなくなってしまっているクルマを時々見かけますが,FRPを使用することで,とても軽くて強いものが製作可能です。

 

デザイン面だけでなく,オーディオの性能面にも貢献します。

木とパテで作ったウーハーボックスは,表面は同じように見えても,中は四角い木の箱なので,容積が小さくしか製作できません。

同じものをFRPで作れば,変形のボックスが製作できるので,限られた自動車の車内で,容量をできるだけ大きく確保することができます。

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FRPは,ガラス繊維を樹脂で固めて,必要な強度が出るまで塗り重ねて積層していきます。

FRPの樹脂は,硬化剤を混ぜることで,化学反応を起こして固まります。(空気で乾かして固めるわけではありませんよ(笑))

樹脂やガラス繊維にも色々な種類があります。

ホットワイヤードで多く使用するのは,ビニルエステル樹脂です。

一般的なポリエステル樹脂も使用しますが,ビニルエステル樹脂の方が,収縮が少なく,変形も少なくて,硬化後も非常に固くて強いです。
でも価格がとても高いです。

 

FRPは,昔ながらの木とパテを使って成形する方法に比べると,非常に手間がかかり,うまく成形したり,型を製作するのに多くの手間とコストがかかり,薬品の扱いもむずかしい為,製作には特別な設備,ノウハウ,技術が必要となります。

なので、カスタムカーオーディオでFRPを使用するショップさんは今でもまだ,とても少ないです。

固いので,くぎを打つことはできません。

ビスも基本的には効きません。

車内でFRP樹脂をこぼしたりしたら,取り返しのつかないことになってしまいます。(^_^;)

ガラスの繊維ですから,カットする為には特殊な工具が必要になります。

工具への攻撃性が高く,すぐに歯が切れなくなってしまいます。

木工用のブレードでFRPを切ってしまうと,歯がダメになってしまいます。

硬化前のガラス繊維は,普通にはさみでカットできますが,普通のはさみやカッターを使用すると,すぐ切れなくなってしまいます。基本的に,はさみは使い捨てです。

ガラス繊維は,その名の通り,硝子でできていますので,素手で触ると,チクチクします。(つまり皮膚に刺さっているわけですね。)

ガラス繊維をカットすると,粉が空中に舞ってキラキラときれいですが,これも硝子ですので,皮膚に付着すると良くないですし,目に入っても良くないですし,一番気をつけなければいけないのは,これを吸い込まないようにすることです。

固まったあとのサンディングの時に大量に発生する削り粉や切り粉も同じく吸い込んではいけない危険な物質です。

肺に付着したガラス繊維は,基本的に体内に吸収されることなく,長期間人間の肺を侵し続けます。(発ガン性が有るとも言われています。)

なので、FRPの作業をする時は,耐薬品ガスマスクやゴーグル,グローブを使用して武装します。

固まったあとのガラス繊維は,特に要注意です。手に刺さります。

もちろん樹脂も化学物質ですので,ニオイがきつく,当然、吸い込んで体に良いことはひとつもありません。

樹脂の扱いも非常に厄介で,服につくとそのまま硬化してしまいますので,服もダメになってしまいます。

髪の毛についたときななど,悲惨です。(泣)

樹脂を洗い落とす為には,「アセトン」と言う薬品を使用します。

これが,ポリエステルや,ビニルエステル、エポキシなどの樹脂を洗える唯一の薬品なのですが,単に洗えるだけではなく,強力な脱脂材としても使えるのですが,アセトン自身も非常に強力な薬品なので,プラスチックなどは溶けてしまいます。

クルマの塗装も侵しますので,取り扱いは要注意です。

このような強力な薬品で手や腕についてしまった樹脂を洗うのはちょっと怖いですね。(T_T)

 

そして,ガラス繊維の代わりに,カーボンやケブラーといった炭素繊維を使用すると、いわゆる「カーボンファイバー」を作ることができます。

カーボンファイバーのきれいな折り目は,透明な樹脂を使用することで,中のカーボン繊維が透けて見えているので,あのように見えます。

繊維を升目状に織ってある理由は,より強度を出す為です。
平行に織ってあるものが一般的ですが,材料としては,斜めに織ってあるものも存在しますし,折り目の大きさ、繊維の厚みも色々あります。

作り方は基本的に同じですが,カーボンやケブラーは,ガラス繊維よりもさらに軽くて強くて固くて,高性能なのですが,その分取り扱いはさらに厄介で,工具や人間への攻撃性もさらに強く,非常に扱いにくくて,素材自体もとてもに高価な為,ガーボンファイバー製の製品は非常に高価なわけです。

F1マシンなどは,クルマがほぼ丸ごとカーボンで製作されています。

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近くでよく見ると,その細やかなデザインと機能美に圧倒されます。IMG_1097 IMG_1099

必要だからそこにその形のものがあり、必要のないものは一切ついていない。

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MOTO GPマシンもカーボンがイッパーイ。
こちらはロレンゾのヤマハのマシン。
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で,こんなステキな動画をYOUTUBEで見つけたので,ご紹介したいと思います。

これだけの手間とコストをかけて,超軽量なスポーツカーを製作したら,このクルマは一体いくらで販売されるのでしょうか?

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